ループ

[出版社]角川書店
[定価] 1600円(ハードカバー)
[発売日]1998年1月31日

 ◆おすすめ度   :★★★★★

 ◆せつなさ、哀しさ:★★★★☆
 ◆登場人物の魅力 :★★★☆☆
 ◆恋愛描写    :★★★★☆
 ◆緊張感     :★★☆☆☆
 ◆恐怖度     :☆☆☆☆☆

【あらすじ】

 舞台は、未来の姿を思わせる世界からはじまります。その世界では、転移性ヒトガンウイルスが蔓延しており、人類がその脅威に脅かされていました。主人公、馨の父親もそのウイルスに侵されてしまいます。しかし、その発祥源は馨の父親が関わっていた人工生命プロジェクト「ループ」だったのです。ループがガン化し、そのウイルスがループを作り出した本来の人間たちに感染しだしたのです。実は高山も浅川も高野舞も安藤も、山村貞子も、人間の作り出した小宇宙・小世界の人工人間であった…

【感想】 

 これはかなり面白かったです!!リング/らせん/ループの三部作の中で最も傑作だと思います。ただ一つ、難を言うと、この三部作は中身もリンクしているのですが、馨の正体が高山だった、というのは無理があったのでは?私が高山と馨、この二人の人間に対して、私が持っていたイメージがあまりにも異なっていたからです。リング/らせんでイメージした高山はもっと粗暴で暑苦しい感じがしたのですが、馨は見かけはともかく、もう少しさわやかな感じがしたので。まるで、ループで作り出した人間を無理矢理、過去の作品と結び付けたような感じが否めなかったんです。
 でも作品としては秀逸だと思います。リング/らせんのテーマがホラーなのに、これはとても科学的で面白かったです。リング/らせんに続くストーリー、ループは後で作られたのですが、説得力があるし、つじつまも合うし(高山と馨が同一人物だということを除いては)。
 最後の、馨が礼子に電話をするシーンではボロボロ泣いてしまいました。鈴木光司作品で唯一泣けたシーンです。でも本当によく描かれてました。「馨は電話をしなければよかったと後悔した」なんて…読者を泣かせた鈴木は偉いです!