| 【あらすじ】
藤木芳彦は、大手証券会社の社員から失業者となり、寂しい生活を送っていたが、ある日いきなり日本ではないような場所で目覚めた。手元にはゲームボーイのような機械が置かれていた。彼がボタンを押した瞬間、戦慄なゼロサムゲームがはじまった…
【感想】
これまた、私がエキサイトしてしまった作品。ゼロサムとは、直に言うと「蹴落とし合い」で、スポーツや将棋などのように、限られたものを奪い合うゲームをのことだそうです。したがって、得られるものの合計が決まっているため、全員が得するようなものではなく、誰かがしわ寄せをくらうのがゼロサムなんだとか。「0SUM」と書くのかな、と思いましたけど。
RPGを小説にすると、いろいろなルールを決めないといけないから、難しいんじゃないか、と私は思ってしまうのですが、この作品は矛盾したところがどこにもなくて、すごいと思いました。むしろ、読んでいる方が「そんなことゲーム機で言ってたっけ?」なんて前のページを見返したりして(笑)本当のゲームマップがあるともっと楽しめるのでしょうが、活字だけでも、頭の中に主人公の位置とか敵の位置とか、どんな場所かっていうマップが浮かんできて楽しめました。
なんといっても、生き残るために最も役に立つものがサバイバルのためのアイテムでもなく、護身用のアイテムでもなく、食糧でもなく、情報だったという結果が、私を唸らせました。
この本書くのに、オーストラリアのこととか、サバイバルについて、貴志先生は相当調べたんでしょうな、尊敬。ところで、貴志先生はコミケやアニメに興味がある「ヲタク」なんでしょうか??なんだかんだといって、物語に登場するから気になっているのです。この本では、藍の職業(?)もそうだし、「天使の囀り」でもそんな人物が登場します。
それにしても、最後、人間が人間じゃなくなるのが、とても怖かったなあ…。
【好きな場面】
▼藤木がゲームを仕組んだ組織を探し出していく場面
最後の場面ですね。スナッフ・ピクチャー(どんなものについてかは、この小説を読んで確認してください。惨すぎてここでは書けません。)の撮影をして、自分達の娯楽のために人殺しをしている奴らが許せない。そんな思いで藤木は奴らの正体を追求していくのだと思います。それが何年かかるのかはわからないですが…。
私としては、さまざまなことが謎のまま終わった作品なので、続編を少し希望します。藤木が、これからどんな人生を送っていくのか気になるし。
【映画化について】
この作品は映画化されていません。たぶん、技術的な面やストーリーの倫理性から考えても、映画化はされないでしょうね。
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