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「青の炎」映画の感想
待ちに待った映画を観てきました。ですが、正直な感想を述べたいと思います。
泣けなかった…まったく泣けなくて残念でした。
二時間という制約の中、原作の最も大事な部分が省かれていたせいでしょう。あの作品の大事な部分、それはやはり秀一と紀子の別れの会話でしょう。
それが、映画では実にあっさりと流されてしまっていました。紀子は涙も流さなかったし、秀一はこれから自殺するというのに、その気配すら見えない。
これでは、せつなさは伝わってきません。紀子のキャラクターが終始淡々としていて、かなり原作とは違った女の子になっていました。
ポイントを整理しますと、
秀一の人格について。
二宮君はよく演じていてくれたと思います。二宮ファンの女の子が言っているように、演技力はあると思います。曽根や母に対して怒りをぶつける場面もいいと思います。ただ、水槽の中に入ったり、テープレコーダーに自分の声を入れる演出というのは、理解しがたかったです。やはり、秀一の心の声は、音声のみで表現するほうが自然でしょう。
青を表現したものが、テレビの光や水槽の映りこみというのも、私にとっては異議有り。私は
「赤い炎以上の高熱を発する青の炎=静かであり、自滅的でもある秀一の怒り」と解釈していたので、人工的なもので表現されるとそれが秀一の怒りにつながらなくて違和感があったのです。
遥香役について。
やはり、鈴木杏は15歳にして実力派女優です。この子がなぜ、テレビドラマよりも映画出演の方が多いのか、よくわかりました。紀子に対する嫉妬シーンがあればもっと面白かったのですが、彼女を起用したことに関しては適役だったと思います。
紀子役について。
これが一番の不満でした。紀子が一度も笑うシーンがなくて。実は私もあややが好きで、新曲「ね〜え?」で見せるようなあややスマイルを期待していたのですが、あまりに淡々としていて、松浦亜弥のよさがつぶれてしまった感じ。紀子役があやや本人じゃないように見えてしまったし。あややである必要があったのか?あれじゃ、他の女子高生の女の子が演じてもよかったのでは?と思ってしまいます。
曽根の傍若無人ぶりについて。
これも物足りなくて。山本寛斎が悪いんじゃないです。曽根が憎く思えるのって、秀一を虐待したり、遥香の進学のための貯金をギャンブルで使ったりっていうシーンであって、「殺されて当然な人間」と思えるくらいでないと、秀一に同情できないです。
加納先生について。
親身に相談に乗る弁護士だったはずですが、映画ではそうは見えませんでした。
山本警部補について。
中村梅雀ということもあり、存在感があってよかったです。ロードレーサーを練習するシーンは好きです。
トリックについて。
トリックがわかりにくい。なぜ曽根の銀歯を通して電流を流したのか、鳥肉を使って実験したのはなぜか、Q=Ivtの公式の意味、秀一がジュール熱の知識を見落として銀歯が外れたことに気がつかなかったこと、…これらのことを原作を読まずして理解できた人はどのくらいいるのでしょうか?
こうしてみると、キャスティングがよかったのは認めます。しかし、映画を観た後に「原作はこうでこうでこうで…」と語ってしまいたくなる仕上がりにはなってしまいました。
映画のよい部分も受け入れたつもりですが、やはり辛口評価になってしまいました。
青の炎は連続テレビドラマとして制作したほうがよかったかもしれません。また、そうなることを期待しています。そうすれば、一話一話(原作では一章ごとに)丁寧に作ることも出来るし、「龍恋の鐘」を登場させることもできるでしょうから。そうしたら、「3年B組金八先生」のパート5,パート6並みの感動作になるのは間違いないでしょう。
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